身長差43センチのふたり。
『…で、最近連絡とった?』
「――またその話?」
お弁当箱のふたを開けて、まず最初にプチトマトを食べていた私に、華ちゃんが話を切り出した。
高遠くんたちと初めて出かけて、もう1ヶ月。
あの時、皆で交換した携帯番号とメールアドレス。
私の携帯にも、高遠くんの連絡先が入っているけれど、それを一度も使ったことはない。
「してないよ。」
『はぁー…何でしないかなぁー…。』
私の否定の言葉に、華ちゃんは呆れ顔で重いため息をついた。
ここ最近、華ちゃんに毎日のように言われるセリフ。"どうして高遠くんと連絡を取らないのか。"
耳にタコができるほど言われ続けている私も、気分は重い。
「だって、メールするほどのこともないし、……それに、今更じゃない?交換して一か月も経ってるし。」
『はぁー…。』
口に入れた卵焼きが、妙に冷たく感じられた。
この頃寒くなってきたし、保温弁当に変えようかなーと思っていると、華ちゃんが口を開く。
『それじゃ、あの時交換した意味がないじゃない。』
「……。」
図星を突いてきた華ちゃんの言葉に、私は何も言えなかった。