身長差43センチのふたり。



「高遠くんは?」


いつも一緒にいる久松くんも鳩村くんも周りにいなくて、一人でここに来た様子の高遠くんに聞き返した。


『あー…俺も呼び出し。実はこの前の小テスト不合格でさ。そのプリント取りに。』

「あ、そうなんだ?」


ちょっと恥ずかしそうに頬を掻く高遠くんに余計なことを聞いてしまったとちょっと後悔。


『もしかして…小日向たちも?』

「え?――あ。」


高遠くんの視線が、私の持っているプリントに向いていることに気付き、少しの間固まった。


「私は、定期テストの勉強用にもらったの。ね、華ちゃん。」

『え?…うん。ま、私は補習だけどー。』


口を尖らせる華ちゃんは、まだ機嫌が直っていないらしい。


『雛乃、行こ。』

「あ、うん。じゃ、またね。」

『ぉ、おぉ…。』


華ちゃんに腕を引っ張られて、私はちょっと戸惑っている高遠くんに手を振って、その場を離れた。



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