身長差43センチのふたり。



「は、華ちゃん…?」


職員室からちょっと離れた曲がり角。

ここに来る間、一言も話さなかった華ちゃんがピタッと立ち止まったのを見て、私は恐る恐る声をかける。

私、何かしちゃったかな…?


『もどかしいっっ!』

「!?」


いきない大声を発してビックリしたと思ったら、華ちゃんはまた意味の分からないことを叫んだ。


『もどかしすぎるよ、アンタたち!』

「アンタ…たち?」


いったい何がもどかしいんだ。

華ちゃんの唐突な行動には、いつも驚かされる。


『よし、決めた!』

「……?」


ガシリ、と掴まれた両肩と、今にも突進してきそうな華ちゃんの纏うギラついたオーラに、私はさらに驚く。



< 49 / 384 >

この作品をシェア

pagetop