身長差43センチのふたり。
――高遠 Side――
『雛乃ー、何してんのー?置いてくよーっ』
『あっ、ちょっと待ってー!』
昼休みに入った瞬間、後ろの女の子たちの声が真っ先に聞こえてきた。
『何探してるの?』
『割引券!この前、食堂のおばちゃんにもらったんだぁー。』
『えっ、いいなー!』
食堂の割引券を探すためカバンをゴソゴソしているのは、クラス一背が低い小日向。
そんな彼女に駆け寄って、一緒に探しているのは彼女の友人である柴戸。
『早くしないとクリームパンが売り切れちゃうよー?』
『あっ、あった!ゴメンね、華ちゃん!行こっ』
カバンのどこから出てきたのか分からない割引券と財布を握りしめた小日向は、柴戸と一緒に食堂へと駆けていった。
『高遠ー。』
「ん?」
クラスから消えていった二人のいた机を見つめていると、前方から友人の久松に呼ばれた。