身長差43センチのふたり。
『勉強会しよ!』
「べ、勉強会…?」
何を言い出すのかとビクビクしていると、意外にも華ちゃんが放った言葉はまともだった。
テスト前だし、別に良いけど……勉強嫌いな華ちゃんの割に珍しい。
その心意気は一体どこから来たのか分からないけれど、拒否する理由などなかった。
「私はいいけど、いつ?どこでする?」
『明後日!ちょうど土曜だし、朝からやろうよ!場所はー…雛乃の家とか。どう?』
「私ん家?」
土曜か、んー…私の家は、どうだろう。
お兄ちゃんは大学のサークルでいないだろうし、お母さんは休みだけど…私の部屋で勉強会すればいいよね?
「…うん、分かった。いいよ。」
『やった!わー、雛乃の家に行くの初めて!楽しみだなー♪』
「そ、そんな大した家じゃないよ…?」
なんだか想像以上に期待されてちょっと冷や汗を掻く。
『この際だから、宏太と高遠も呼ぼーっと。』
「えっ!?ちょっと待ってよ、華ちゃん!」
楽し気に教室へと走り出した華ちゃんに、運動音痴の私が追いつけるわけもなく。
私が教室に着くころには、華ちゃんが久松くんに勉強会の約束を取り付け終わっていて、奇しくも4人で勉強会をすることに決定してしまっていた…。