身長差43センチのふたり。
「それよか、お兄ちゃんは今日サークルやないと?もう準備せな。」
いつも午前中には家を出るお兄ちゃんの方が心配だ。
『ん?今日は休みよ。言っとらんかったっけ?』
「聞いとらんよ、もう!」
あっけらかん、と言ってのけたお兄ちゃんも、やはり兄妹。
どこか抜けているのは、どちらも同じだった。
ピンポーンッ…
「あっ、来た!」
『え、もう?』
お兄ちゃんとのほほんと笑いあっている場合じゃない。
予想よりも早い来客に2人で驚きつつも、私は玄関へと走った。
「はーい!」
ガチャッ
『おはよ、雛乃ーっ!』
「わわっ」
玄関を開けた瞬間に、飛び込んできたのは華ちゃん。
出会い頭に抱き着かれてビックリしている私の目の前には、華ちゃんの後ろでたくさんのビニール袋を抱えた高遠くんと久松くん。
『『おはよ。』』
「お、おはよう…皆。」
今日は騒がしい一日になりそうだと、心の隅でちょっと思った。