身長差43センチのふたり。



「それよか、お兄ちゃんは今日サークルやないと?もう準備せな。」


いつも午前中には家を出るお兄ちゃんの方が心配だ。


『ん?今日は休みよ。言っとらんかったっけ?』

「聞いとらんよ、もう!」


あっけらかん、と言ってのけたお兄ちゃんも、やはり兄妹。

どこか抜けているのは、どちらも同じだった。


ピンポーンッ…

「あっ、来た!」

『え、もう?』


お兄ちゃんとのほほんと笑いあっている場合じゃない。

予想よりも早い来客に2人で驚きつつも、私は玄関へと走った。


「はーい!」

ガチャッ

『おはよ、雛乃ーっ!』

「わわっ」


玄関を開けた瞬間に、飛び込んできたのは華ちゃん。

出会い頭に抱き着かれてビックリしている私の目の前には、華ちゃんの後ろでたくさんのビニール袋を抱えた高遠くんと久松くん。


『『おはよ。』』

「お、おはよう…皆。」


今日は騒がしい一日になりそうだと、心の隅でちょっと思った。



< 52 / 384 >

この作品をシェア

pagetop