身長差43センチのふたり。
「あ、飲み物は冷蔵庫に入れておくよ。ちょうだい。」
『あ、サンキュ。』
久松くんから差し出された、4本のそれぞれ種類の違う2Lのペットボトルジュース。
1人で持てるかな?と思っていると、後ろから伸びてきたお兄ちゃんの手が、全てのペットボトルを攫っていった。
「!ありがと、お兄ちゃん。」
『よかよー。冷蔵庫で良いっちゃろ?』
「うん。……あ、皆はこっち。」
キッチンの方へ去っていったお兄ちゃんを見送り、スリッパを履いた皆を連れて、私は自分の部屋へ向かう。
お母さん、まだ寝てるな。
静かなお母さんの部屋の前を通って、その横にある自分の部屋のドアを開ける。
「はい、どうぞ。どこでも好きなところに座って。」
『わー、広いーっ!』
部屋に入った華ちゃんは、開口一番可愛い、とキャッキャッしていて、男子2人は、これが女子の部屋か、とマジマジと見ている。
ちょっと、っていうか、かなり恥ずかしいんですけど。
ガチャッ
『飲み物持ってきたよー。』
「っ、お兄ちゃん!」
ザワつく皆をなんとか落ち着かせてテーブルの周りに座らせていると、ジュースを入れたコップを乗せたお盆をもって、お兄ちゃんが入ってきた。