身長差43センチのふたり。



『鳩村!』


食堂の出入り口付近にある購買スペースの前を歩いていると、購買横で項垂れている鳩村を発見した。


「どうした?」

『プリン……売り切れてた…。』

『マジかよ。』


いつも昼休みになると普段の100倍は元気になる鳩村が、覇気もなく声も小さい。

プリン、50個限定だからな…。簡単には買えねぇーよなー。

一度は食べてみたいとは思うものの、鳩村並みに毎週毎週プリン獲得チャレンジしようとまでは思えない。


「ドンマイ。とりあえず、席取ろうぜ。」

『おー…。』

『俺、先に飯買ってくるわ。』


食券販売機に向かう久松と別れて、肩を落としたまま落ち込んでいる鳩村を連れて、3人分の席が空いている所へ向かった。


「ここでいいだろ。」


4人席が丁度空いていて、鳩村を座らせて、俺は鳩村の向かい側に座る。

すると、斜め前の席には数分前にクラスから去っていった小日向と柴戸がうどんを食べていた。



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