身長差43センチのふたり。
メールと言ったって、そんな深い内容じゃない。
テストはどうだったとか、今日の体育はどんなことしたとか、鳩村くんがまたプリン争奪戦に負けたとか、そんなたわいもない話ばかり。
そんな何でもないメールも、私は携帯電話が震えるだけでドキドキしちゃうほど嬉しくて、毎日がとても楽しくて仕方がない。
『すっかり雛乃も恋する乙女って感じだねっ!』
「……華ちゃんには負けると思うよ?」
『なーに言ってんのよ!』
私ばかりが話の中心でからかわれているのが嫌で、ちょっと華ちゃんに離しの矛先を変えると背中を叩かれてしまった。
素直に痛い…。もうちょっと手加減してよー…。
いたたた、と痛みをこらえていると、華ちゃんは高遠くんの席でワイワイと話している久松くんを溜め息交じりに見つめていた。
『宏太はさ、……私のことなんてなんとも思ってないよ。』
「え?……そうかな、そんな風には見えないけど…。」
華ちゃんにつられて、私も久松くんへと目線を向ける。
でも、すぐにその目線は、久松くんの隣にいる高遠くんへと向いてしまっているけど。
……あ、ちょっと困った顔してる。また鳩村くんに無茶振りでもされてるのかな。
昨日のメールで、高遠くんが最近の鳩村くんの無茶振りに困ってると聞いていただけに、私はちょっと笑ってしまう。