恋に歌う
当たり前ではあるが、俺の隣、自分の席に戻るらしい。



何となくその様子を眺めていると、ふいに沢井と目があった。



初対面なのでどうしたものかと悩んでいると、沢井はにこっと微笑んで話しかけてきた。



「古賀君だったよね?」



小首を傾げて聞いてくる。



「あ、あぁそう。古賀 朔。沢井だったよな?」



きちんと覚えているのについ聞き返してしまう。



「うん、沢井 桜です。お隣さんだね。よろしくね」



「おう、よろしく。」



ぶっきらぼうに答えると、くすくすと笑われてしまった。



何故か調子が狂う。普段通りにいかない自分に疑問を感じていると、



「ねぇ、古賀君ってバンドでどんな音楽やってるの?」



と聞いてきた。
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