恋に歌う
「基本ロックかな。オリジナルとコピーが半々って感じでやってる。」



「そうなんだ~。古賀君のパートは?」


「俺はボーカル。曲作るためにギターの練習もしてるけどな。」



「すご~い。曲作れるんだ?」



「まぁ素人レベルの曲だけどな。そういう沢井こそバイオリンひけるんだろ?」


「うん、六歳くらいからやってるんだ。」



「それこそすげぇじゃん。子供の頃からやってるなんてさ。」



俺は軽い驚きを感じていた。俺の周りには子供の頃から何かをやり続けているって友達がいなかったからだ。



「そんな事ないよ。好きだったから続けてきただけだもん。」



「好きでも辛い事くらいあるだろ?だから続けるってねはすげぇ事だよ。」



「そっかな?ありがと。」



沢井ははにかんだ笑顔を浮かべた。
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