優しさに包まれて
公人に婚約者…?

私、騙されたの?

ううん。公人は、そんなことする人じゃない。

頭の中で考えるが、言葉がでてこない。

『主任。私…戻りますね。』

一緒にいた後輩の伊川さんは足早に給湯室から出ていった。

『ねぇ。小見山さん?私の言ったこと理解できたのかしら?』

『理解できません。公人は…』

『公人なんて気安く呼ばないでよ。』

女性の言葉を無視して

『公人は、私を好きだと言ってくれました。それが嘘だとは思えません。』

そう伝える。

『公人さんが、そんなこと言うはずないわ。だって公人さんは私の婚約者なんだから…。』


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