優しさに包まれて

マンションに着くまで、優希も由華もほとんど何も話さなかった。

マンションに到着し、優希に荷物を纏めるように伝える。

『えっ？何で？』

『部長からの伝言だから。しばらく一緒に住もうって言ってたよ。多分、心配なんだよ。』

『由華。私ね、すっごく不安…。公人の気持ち、疑ってるわけじゃないけど、いつか終わりが来るかも…って思っちゃったり、今日も、公人から先のことも考えてるって言ってもらえたけど、本当は、私よりも常務の娘さんと結婚した方が公人にとって幸せなんじゃないかって思ったりするの。』

『うん。その気持ちわかるよ。でも、部長の気持ちも優希の気持ちも大切にしてほしいって思う。不安かもしれないけど、部長を信じてあげてほしいな。』

『うん。由華、ありがとう。』

『とりあえず早く準備しちゃおうよ。』

そう言って荷物の準備を始めた。

公人のマンションに持っていく荷物をまとめ終え、由華と夕食を作りながら、2人の帰りを待った。