優しさに包まれて
止まらない涙をハンカチで拭きながら玄関に入ると、ドアの閉まる音がした。

その音と共に部長に後ろから抱き締められた。

『優希を泣かせたかった訳じゃないんだ。ただ…。優希のホントの気持ち、聞きたくて。俺の部屋に連れてきたんだ。抱きしめたくて、我慢できなくて…。』

そう言って私から離れた。

振り返り顔を上げると、不安そうな顔をした部長の顔があった。

部長は、私の頬の涙を指で拭いながら

『俺は、優希が好きだよ。昨日、返事はすぐじゃなくていいって言ったけど、聞かせてくれないか。』

そう言って、私を見つめた。
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