優しさに包まれて

そして、向井くんは、離したばかりの私の手を取り、そっと指を絡ませた。

ビックリして固まっている私を見つめたまま、

『小見山さん。俺、ずっと小見山さんのことが…』

その時、向井くんの言葉にかぶるように、

『小見山…。』

と聞き慣れた声が聞こえた。

声のした方へ顔を向けると、そこには阿部部長がいて、私と向井くんを見ていた。
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