優しさに包まれて

そして突然、


『優希…。おいで。帰ろう。』

今まで一度も阿部部長から呼ばれたことのない『優希』という私の名前。

それなのに、名前を呼ばれ、私は、それが当たり前のように、自分の右手を差し出した。

まるで魔法にかかったかのように…。

向井くんが指を絡ませていた私の左手は、いつの間にか解放されていた。






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