優しさに包まれて
公人と手を繋いだまま歩く。

その前を大塚課長と由華が歩いていた。

『部長。どこに行くんですか?』

『公人って呼べたら教えるよ。まぁ、呼べないなら、ここでキスするけど。それと、敬語もなしな。』

そんな意地悪を言う公人。

『……………。』

『優希。聞いてる?』

『聞いてま…るよ。……公人。どこにいくの?』

『ぎこちなさがかわいいな。』

そう言って、私たちの話を聞いていた大塚課長は、振り向いて笑った。

『小見山、今から俺の友達がやってる店に行くんだよ。公人も知ってる奴だよ。多分、からかわれると思うから覚悟してな。』
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