優しさに包まれて
『覚悟?』

そう呟いて公人を見ると、

『俺の片想いを心配していた友達の1人。』

そう言って苦笑いしていた。

『ここだよ!』

そこには、見た目は普通の一戸建ての家があった。

住宅街にある看板もない普通の一戸建てだけど、創作料理を出しているお店らしい。

玄関ではなく、玄関の先にある小さい引き戸を開けた大塚課長。

『健~!』

そう声をかけた。

『いらっしゃい。』

引き戸の中から顔を出した、優しそうな男性。

そして、大塚課長に耳打ちされ、ニコニコ笑顔で、公人と私に近づいてくる。

『公人。良かったな。やっと姫を手にいれたんだな。』

と今朝の大塚課長と同じようなことを言った。

『ん。』

公人は、それだけ言って健さんから目を反らした。

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