ソプラノ【BL】
~翔side~

「え?じゃないっすよ!何であんなことしようとしたんですか!」

「え、いや。ちょっと待てよっ なんのことだ?」

は?本気で言ってんのか?

「さっきここの窓から飛び下りようとしてたじゃないっすか!!」

「....は?」

え?本当に言ってんのか....?

「え、いや、だって。さっき窓の所で下見てたじゃないですかっ」

「え?あ、あぁ!!違う!あれはただ窓の下に紙を落としたんだよ。だから見てたんだよ それだけ」

「え!えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?そ、そうだったんですか....なんだ....よかった....」

安心したら少し力が抜けた。

「も、もしかして俺の事心配してたのか?」

先輩がすこし驚いた様子で俺に聞いた。

「あたり前じゃないっすか!!まったく....」

「....そうか....ごめん ありがとう....」

不意に先輩が微笑む。

逆光で少し先輩の顔は暗かったけどその笑顔は綺麗だった。

「俺の方こそ....その....すみませんでした....」

「え?」

「いや、だから....その 付き合いたくて付き合ったんじゃないとか....」

「........べつに、いいよ 俺だって無理矢理返事させたから....もう気にしなくていいからな! 迷惑かけねーようにすっから」

少し暗い先輩の顔が寂しげに言う。

「そんな....!....俺っ...俺...やっと本当の気持ち気付いたんです...!先輩の事が好きです!だからっ....迷惑とか....言わないで下さい....」

「え....?」
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