ねがい
ヒカリ
まっくらなところにいた。
何も見えなくて、こわくて、泣きたくなった。

だけど、そこから光がみえたんだ。

ぼくを呼んでるみたいに、ぴかぴか、ぴかぴかしてる。
まっしろな、ちっちゃな光。

ぼくは立ち上がって、お尻の砂をはらってからポケットの中に手を入れて、小さな袋を取り出した。
その中に入ってるのは「おまもり」
これはね、おねえちゃんがくれた、すごくきれいな石のおまもり。

ぎゅっとにぎったら、もうこわくなんかなかった。
これがあればおねえちゃんといっしょにいるような気がする。
だから、うん、だいじょうぶ!!

石をぎゅっとにぎって、ぼくは足をふみだして。

手を伸ばした。
いっしょうけんめいに、せいいっぱい手をのばしてみた。

あ、つかめた!って思ったら、くるくる、くるくるって目が回った。
立っていられない。

「……うわ、うわあああああっ」

くるくるくるくる、くるくるくるくる。
―ふわり。

そーっと目を開けて、ぼくはあたりを見回したんだ。
そこは明るくて、まっしろな場所だった。
雲みたいなふわふわした地面があって、雪みたいな地面。

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