血みどろミドロ
 バイトを終え、適当な時間にやってきた電車に乗ると、俺は自分の家まで帰ってきた。

 部屋に上がると、真っ先に目についたのは例のゴミ袋。

 今朝は不可解な事があったけれど、今回は特に不審な事は起こっていないようだ。

 半透明の袋の中身を覗き込む。

 そこには箱に紛れてうっすらと影を映すミドロの姿があった。

 ほっと一息ついて、俺はそれを手に取ると踵を返して部屋を出た。

 マンションのエントランスを出てすぐ右側ーーそこがゴミ収集所だ。

 フライングですでに出されていたゴミ袋の上に、俺は何のためらいもなく手にしたゴミ袋を放り投げた。

 気味の悪いやつだったけど、捨ててしまえばどうって事はない。

 ちょっとした平和が訪れたような気がして、満足した俺は再び部屋へと戻った。

 それからはもうすっかり例の人型の事は記憶の片隅に消えて、俺は晩飯を食ったり、テレビを見たりしながら寝るまでの時間を過ごした。

 次の日はバイトも休みだったので、たまには夜更かししようと思っていたけど、次第に瞼が重くなりそのまま眠りへと就いたーー
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