血みどろミドロ
 変な宅配物が届いてから二日目の朝。

 俺は左のふくらはぎのあたりに違和感を感じて目を覚ました。

 まだ半分眠っている脳を起こしながら、手だけで違和感の原因を探る。

 ちょうど手が触れたところで俺は固まった。

 何かがくっついてる……

 触った感じはだいたい手の平と同じぐらいのサイズ。

 ふっくらとしているけど、何だか人の肌に触れているような……

 そこで俺は飛び起きた。

 まさかと思いすぐさまふくらはぎへと視線を落とす。

 そこには、俺のふくらはぎにぴったりとその気味の悪い体躯を貼り付けたミドロの姿があった。

 俺は絶叫しそうになるのを必死にこらえながら、ミドロを引き剝がすために手を伸ばした。

 総毛立つというのはこういう事なんだと知った。

 とにかく鳥肌がとんでもない事になっていた。

 捨てたはずのミドロがなぜここにいるのかという事もそうだけど、それ以上にその気持ち悪い体を俺のふくらはぎに密着させている事がとてつもなく不快だった。

 とにかくすぐに剥がしてしまおうと、俺はひと思いに掴んだミドロを思い切り引っ張った。

 途端に激痛が走る。

 何が何だかわけも分からずに引き剝がしたふくらはぎを見ると、まるで壊死してしまったかのように黒ずんだ俺の肌と、そこからにじみ出た血が視界に映る。
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