血みどろミドロ
 無茶苦茶な生き物じゃないか……

 変テコな名前とは裏腹に、かなり危険な生き物なんじゃないか。

 俺は自分の脚をさすった。

 さらに、その変な名前と実際の生態のギャップがより一層俺に恐怖を与えた。

 もう一回捨ててみるか……

 何かしらの偶然が重なってここに戻ってきたのだとしたら、次は手渡しで回収業者に渡せば確実だろう。

 ただ、次のゴミの日は今日を入れて四日後。

 その間、こいつをどう保管しておくか。

 俺は頭を悩ませた。

 俺の脚にへばりついていたのは間違いなくこいつの意思と行動によるものだろう。

 こんな奴に意思なんかあるのかと疑問に思うけれど、それ以外に考えられなかった。

 いくらなんでも、誰かが寝ている俺に直接こいつをくっつけたとは考えにくい。

 まず俺の部屋に入る術がないのだから。

 認めたくはないけれど、あえてどちらの方が現実的かと言われれば、それは確実に前者だ。

 とにかく、厄介な事になった。

 少しでも早く問題を解決しようとするなら、まずはこいつの存在を認めなくてはならない。
< 14 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop