飼い猫と、番犬。【完結】
いぬとねこ。 ピリオドの向こう側
無事に入学式を終えて暫くが経った頃。
出会いを漁る親友のお陰で、何故か私まで興味もなかった新歓コンパへと駆り出されてしまった。
場所は賑やかな居酒屋。もうすぐ開始から二時間が経とうとしている今、辺りはそこそこお酒も入ってすっかり盛り上がっている。
唯一の顔見知りである親友はタイプの男を見つけたとやらで、何やら向こうでよろしくやっていて。
その薄情者さに私は一人もりもりと唐揚げにぱくつくばかりだった。
早く帰りたいな……。
正直、こういう場はちょっと苦手だ。
先輩に勧められてお酒を口にする人たちもいるけれど、私たちはまだ未成年。
仲良くもないのにうるさく言うのも憚られて、それには見て見ぬ振りを決め込み自分に降りかかる火の粉だけは笑顔でスルーしている。
本当に面倒くさい。
ごくごくと烏龍茶ん飲み干した私は、そのままはあと大きく息をつく。
枯れている。
そんな自覚はあるけれど、人見知りなのも手伝って、無闇矢鱈と愛想振りまくことは出来なかった。