きらきら輝かせて恋色に
はじまりはエキストラ

私、吉岡マチ子が朝起きてすること。

…バイト探し

小さい頃からビンボーで、
求人雑誌をめくっては電話をかける。
女子高生とは思えないような、
そんな毎日が続いてる。

「なにこれ…エキストラ?」

ページの隅っこに小さく書かれたその
《エキストラ》という5文字…

いや職種なんてどうでもいい。
時給だよ時給時給!

大事なのはお金!

去年お父さんが会社をリストラされてから私の生活は一変した。

高校も辞めなきゃいけなくなったし、
毎日お金に困って暮らすようになった。

あーあ…。だから正確に言えば、
私は女子高生じゃないんだよね…。

じゃあなんて言うの?

もしかして…フリーター?

最悪…!

友達はみんな可愛い服着て街で
遊んだりしてるのに…
私は世間から見たらフリーターなの?

私、見た目もそんなに悪くないし、
学校に通ってるときは男子に告白とか
されたこともあるけど、
フリーターじゃ誰も相手にしないよね…

はぁ、ちょっと(いやだいぶ)ヘコむ…。

「あれっ、これ時給いいじゃん…」

ふーん舞台のエキストラかぁ。
『簡単なので誰でも歓迎です』…
そうなんだ…

「うっし!
お父さん、私ちょっと行ってくるね!」

とりあえずうちにはお金が必要なんだ!
何でもいいからやるっきゃないでしょ!
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