きらきら輝かせて恋色に
「ここからが本題だ。
そこにいる吉岡マチ子をうちの劇団に
入団させようと思う」
そう六郎さんが言った途端に、
団員の皆さんがざわつきだした。
えっ、えっ、何?
「誰かこいつにシャドー頼みたいやつは
いるか?」
団員はみんな黙ってしまって、
しーんとする。
「そうか。じゃあ、吉岡は湯木香澄のシャドー。それでいこう。
みんなよろしく頼む」
シャ、シャドー?
何のことだか私にはわからない。
でも皆さん、眉をひそめて小声で何か
話してる…。
「シャドーが香澄さん?」
「新人で香澄さんのシャドーやるの?」
「まじでありえないでしょ…」
「団長、どういうつもりなの…?」
湯木さんは驚いた顔をして六郎さんを
にらみつけている。
「ちょっと、六郎!どういうこと!?」
「どういうこともクソもねえだろ。
なんか文句あんの?」
「大ありよ! なんで新人のあんな小娘に
あたしのシャドーやらせないといけないの!? 絶対に嫌だからね!」
湯木さん…めちゃくちゃ怒ってる…
ていうかシャドーってなんなの!?
そんなに大変なものなの!?