きらきら輝かせて恋色に
「は? どの口が言ってんだよボケナス。
舞台投げ出すような女優は女優なんかじゃねえよ。シャドーぐらいでがたがたうるせえな」
湯木さんはそう言われると怒って食堂を出ていった。
それを気にすることもなく六郎さんはグラスを掲げる。
「じゃあ、夏に向けてまた頑張ろうな、
…乾杯!」
ざわつく空気の中で、私の心は揺れた。
単に演劇をするだけじゃないんだ…
人間関係とか、その人の立場とか、
そういうものを意識してこれからは
生活していかないといけないんだ。
想像以上に大変そう…。
さっきは気がつかなかったけど、
団員の皆さんの視線もなんだか私を
品定めするような感じだし…
私がこの劇団さざなみに入ることを
みんながみんな快くは思ってない…。
私、どうなっちゃうんだろう……