きらきら輝かせて恋色に

「えっと…あの、わかりません」

湯木さんが、はぁぁあ、と大きくため息をつく。

フ、フツーにしてたのに…。

「す、すいません…」
「いいの。シャドーなんて知らなくて当然なんだから。
あのねシャドーを日本語に訳すと、影。
つまり『代役』のことなのよ。あなたはたあたしの代役になったの」

えっ、ええええぇえええ!!!

「シャドーはあたしに何かあったら代わりに舞台に立たなくちゃいけないの。自分で言うと何だけど、あたしはこの劇団のトップヒロインよ。そのあたしの代役をあなたみたいな素人がつとめられるとは思えないわ」

「…は、はぁ」

私もそう思います…

「でも団長が直々に指名したわけだし、
あたしはたしかに舞台を投げ出したし、
甘んじて従うしかないのよね」

湯木さんは私に振り返り、ぎろっとにらみつけた。
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