きらきら輝かせて恋色に

「みんな、おはよう。
じゃあこれから夏の舞台に向けて、
全身全霊を捧げて頑張っていこう」

「「はいっ!!」」

朝ごはんが済んだら、
この練習ルームに団員は集まる。

なんかこの団結する感じ…。

学校みたいだ。なつかしい。
私、学校好きだったもんな…

「マチ子ちゃん」

春樹さんがこそっと小声で、
話しかけてきた。

「マチ子ちゃんは知らないだろうけど、
うちの劇団は夏の演劇コンクールに毎年出演してるんだよ」
「そうなんですか…」

「うん。去年は準優勝で、結果2位。今年こそは優勝しなきゃいけないんだ。だから《キリサメ》みたいな失敗はみんなしちゃいけないって、力入ってるんだよね」
「…春樹さんも?」
「まあね」

得意げに笑って、春樹さんは六郎さんの隣へ歩いていった。

絶対に失敗しないって表情だった。
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