きらきら輝かせて恋色に

廊下に出ると、湯木さんと六郎さんが話をしてた。

とっさに私は身を隠してしまった。
べつに、隠さなくても良かったのに…

「ごめんなさい…
あんな風にみんなの前で怒ったりして」

「いや、いい。俺も相談もせずに悪かったと思ってる」

湯木さんが、六郎さんを抱きしめた。

やっ、やっぱりそういう関係だったの!?

美男美女…お似合いだなぁ…

「ごめん、でも譲れないんだ」

六郎さんは身を引いた。

「なんで? あたし、演技下手になった?
《キリサメ》で途中降板したから?」

「違う。香澄はいい役者だよ。でも、
香澄じゃ、メアリーは演じられない」

湯木さんはぽろぽろと涙を流した。
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