悪魔の微笑み【短編】
教室移動の時も昼休みも私は1人だった。

我慢しきれず、私は教室を飛び出して屋上へと向かった。



ただ、呆然と空を見上げる。


まだ7月の上旬だというのに真夏のようだ。

私は、ハァ~っとため息をついた。





吉田麻美が仕組んだこと。

それは、クラス全員が私を無視すること。


私は、クラスのみんなに無視されてもいい。

でも、歩だけには私の見方になってもらいたかった。

幼い頃から仲が良く、ただ1人しかいない親友だった。



それがこんなにも容易く砕けてしまうなんて…

それがとても悲しかった。

信じてたのに…

次第に涙がこぼれ落ちた。

私はいつからこんなに弱くなったんだろう?

もっと…強くならなきゃ。弱いからいじめられちゃうんだ。


もっと…強くなろう。
そう誓って屋上の階段を降りた。

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