悪魔の微笑み【短編】
「来てくれてありがとう…昨日ね、久しぶりにプリ帳見たんだぁ。私達結構変わったねぇ~毎日のように会ってたらわかんなかったのにね…プリクラ見たら一目でわかる…私達変わったって…でもね、どのプリクラも私達笑ってた。楽しそうだった…」

歩は、私の話をじっと聞いていた。
時折、空を見上げる。

「ねぇ、歩…なんで嫌いだって言ってくれなかったの?ちゃんと言ってくれたら私は歩の目の前から消えたのに…」

歩が私のほうを見て怒る。

「いつもいつも…あんたは正義気取ってばっかじゃん!!あんた、私を頼りすぎなんだよッ!あんたは正義気取っていい子ちゃんでいるんだろうけどあんたの知らないところで傷ついているやつがいるんだよ!!私は、16年間あんたに苦しめられたんだよ…」

そう言いながら歩が私のシャツを掴む。

歩の目には涙が溢れていた。


私は、歩の目をちゃんと見て言った。

「今日で私達、友達やめよう。そうじゃないと…私達、幸せになれないよぉ…16年間…あ゛りがとね…グスッ…私は、歩に嫌われもずっと親友だと思ってるがら…あ゛りがどぉ…」

私は、我慢していた涙が止まらなかった。


「グスッ…いい子気取ってんじゃね~よ!!」

そう言って歩が私を突いた。

「しかたないじゃん!!これしか答えがでなかったんだからッ!!」

そう言って私は、歩を突き返した。


しかし…


歩が足を滑らせて…




「キャ~!!!!!」

後ろで見ていた吉田麻美が絶叫する。


一本の腕が歩へと伸びる。

そして…

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