悪魔の微笑み【短編】
翌朝ー

私はいつも校門が閉まる15分前に学校に到着する。


玄関に入って、ドキッとした。

『吉田さん…』



吉田麻美は、私に気づいてニコッと微笑んだ。

そして、ゆっくりと私に近づいてきた。


『来ないで…来ないでっ!!!』

心の中で私は叫ぶ。


俯いている私を覗きこんで吉田はまたニコッと笑った。

「おはよぉ、千夏。話があるんだけどサ、昼休み屋上に来てくれない?」


嫌といえばまた何をされるかわからない。

今の私の選択肢は、「わかった」と返事をするしかなかった。

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