舞*姫-mai*hime
-祥side
…美咲。
俺は、兄貴じゃねぇぞ?
腕の中でねむる美咲を強く抱きしめた。
いつからだっけ?
俺が兄貴の代わりになったのは。
美咲のために…。
泣き顔なんて見たくねぇから。
────────…
半年前、突然姿を消した美咲の彼氏である俺の兄貴。
龍神十六代目総長で、俺にとって憧れの存在。
何も言わず、残さず消えた兄貴を
歴代の方や組織の人たちと探したが
見つからなくて今も探し続けている。
兄貴がいない。
その現実を受け入れることが出来ないでいる美咲は
夜になると兄貴の姿を探し泣き暴れる。
そんな美咲を見ていられなくて
ある時、俺は美咲に言った。
「俺を兄貴だと思え」
もちろん美咲は反対した。
でも、泣き顔を見てるだけで
何も役にたてない俺は
兄貴の代わりに美咲を抱きしめてやるしかなかった。
それからは自然に2人になると
俺は"祥"じゃなく"竜"って呼ばれることが多くなった。
さすが兄弟だけあって、声も顔つきも似てたから
さほど抵抗がなかったんだと思う。
美咲が竜を求めるとき、
俺は竜として美咲を抱いた。
ずっと好きだった美咲を
こんな形で抱くとは思わなくて
胸が痛かった反面、幸せを感じていた。
その日から
俺は兄貴の代わりでもいい。
そう思い始めるようになった。
美咲が俺を求めてくれるから…。
たとえ嘘でも偽りでも。
…美咲。
俺は、兄貴じゃねぇぞ?
腕の中でねむる美咲を強く抱きしめた。
いつからだっけ?
俺が兄貴の代わりになったのは。
美咲のために…。
泣き顔なんて見たくねぇから。
────────…
半年前、突然姿を消した美咲の彼氏である俺の兄貴。
龍神十六代目総長で、俺にとって憧れの存在。
何も言わず、残さず消えた兄貴を
歴代の方や組織の人たちと探したが
見つからなくて今も探し続けている。
兄貴がいない。
その現実を受け入れることが出来ないでいる美咲は
夜になると兄貴の姿を探し泣き暴れる。
そんな美咲を見ていられなくて
ある時、俺は美咲に言った。
「俺を兄貴だと思え」
もちろん美咲は反対した。
でも、泣き顔を見てるだけで
何も役にたてない俺は
兄貴の代わりに美咲を抱きしめてやるしかなかった。
それからは自然に2人になると
俺は"祥"じゃなく"竜"って呼ばれることが多くなった。
さすが兄弟だけあって、声も顔つきも似てたから
さほど抵抗がなかったんだと思う。
美咲が竜を求めるとき、
俺は竜として美咲を抱いた。
ずっと好きだった美咲を
こんな形で抱くとは思わなくて
胸が痛かった反面、幸せを感じていた。
その日から
俺は兄貴の代わりでもいい。
そう思い始めるようになった。
美咲が俺を求めてくれるから…。
たとえ嘘でも偽りでも。