愛合傘〈番外編〉
「ざーきーやーまー」
からかってきた1人の男子生徒。
「なに」
「ざきやまって背でけぇな」
「やまざきですけど!」
わざとだ。関わりたくない。
背が高いこと、気にしてるのに。
「お前さ、来ないだのテスト60位だったんだろ?」
「なんでっ―――…!!」
初対面のくせに。
クラスだって違うくせに。
勝手に大声で言わないでよ!
「うるさい、構わないでよ」
「ざきやまってバカなんです~」
追いかけても追いかけてもその人は足が速くて捕まえる事は出来なかった。