愛合傘〈番外編〉


『めぐみちゃん、』

『どうしたのさゆり』

『これ……』

びしょびしょに濡れたパーカーをめぐみちゃんに見せたとたん、目の色が変わった。

『…ゆゆ達でしょ…。どうしてゆゆ達といるの?うちがいるじゃん!』

めぐみちゃんの赤いパーカーだった。
お気に入りって言ってたパーカー。

洋式トイレの中で見つけた。


『…いいの。私も好きでオシャレとかしたいし。』


『無理に合わせようとしなくていいんだよ?めぐみちゃんはめぐみちゃんらしく…』


『うち、貧乏だからさ。言われたくないの。』
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