私の決心
「男の人から見れば、仕事に没頭している女は厄介なんでしょうね。家の事はしっかりするつもりでいたんですけど。」

またまた私は溜息をつく。

でもそう言いながら、家事より仕事をしている方が性に合ってると、
本人がひそかに感じていたんだから、それが彼にも伝わっていたのかもしれない。

今なら分かる事もたくさんある。

「俺は仕事をしている橋本は色気があると思うんだがな。」

少し赤い顔をしている部長。

お酒が回ってきたのかな。

「そんな慰め要りませんよ。自分で女らしくないのは嫌ってほど分かってますから。」

武田部長についきつい口調で言い返す。

きっとこういう所が、女として足りない所なのかもしれない。

「なあ、橋本。」

急に真面目な顔をする部長。

はっとして、部長の方を見る。
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