私の決心
「でも妊娠していなかったら、あの会社での宣言はどうするの?」

私は幸二を見つめた。

正直まだ信じられない。

「もう俺から逃げられなくするための保険みたいなもの。もういい加減観念しろよ。」

幸二はにこりとすると、と真面目な顔で言った。

「橋本真砂子さん、妊娠してなくても俺と結婚して下さい。」

何だかとってもとっても悔しいけれど

「はい。」

素直に返事してしまった。

それからは、何だかそわそわしながら私は幸二に連れられて病院に向かった。

案の定、病院で妊娠を告げられる。

「やっぱり。」

とても嬉しそうに頷く幸二。

ただ私の場合、それだけじゃ済まない。
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