私の決心
その帰り道、役所へ寄って婚姻届をもらって来た。

確かに入籍していないと、赤ちゃんが困るよね。

一緒に住む事が決まった時に、私の親にも挨拶は済ませてある。

さすがにこの歳になると、もう誰も反対しなかった。

家に帰ると、幸二に促されて、両親に新たな報告をする。

妊娠と入籍の事を話すと、二人は泣きながら喜んだ。

「あなたが幸二さんと一緒に住むと言った時は驚いたけど、この歳で孫を抱けるなんて…。幸二さんに頭が上がらないわ。体を大事にするのよ。」

何だか親孝行出来たみたいでとても嬉しい。

そんな親の電話の声に私も涙ぐみそうになる。

「ご両親は何て言ってた?」

電話を切ると同時に幸二が聞いてきた。

「孫が抱けるって、ものすごく喜んでくれた。」

私は涙声でそう答えた。

「そりゃそうだろう。俺もものすごく嬉しい。」
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