私の決心
いつもにもまして、満面の笑みに少し嫌味を言ってみる。

「ニタニタ笑って気持ち悪い。」

それでも幸二の表情は全く変わらない。

「この歳になって、大好きな女に嫁さんになってもらって、その上子供が出来たんだぞ。本当に幸せだ。お前のおかげだ、ありがとう真砂子。」

素直に嬉しかった。

「あなたはその分苦しんできたんでしょう?私で良かったらずっとそばにいるわ。」

もしかしたら初めて妻らしい言葉を言ったかもしれない。

これからはもっと幸二を大事にしていかなきゃ。

そう思いながらも、私は素直になれない。

「その代り料理はイマイチだし、ぐうたらな妻だけどね。」

「そのままのお前を受け止めると言っただろう?」

幸二は私を抱き寄せる。

とっても温かい。

こうやって抱き寄せられるのは、胎教にも良さそう。
< 129 / 141 >

この作品をシェア

pagetop