私の決心
顔を赤くして笑っている幸二。

「でもこの雰囲気を出すために、お前のすべてを俺にさらしてもらう必要があったんだ。 我ながら良い絵が描けたと思うよ。ありがとう。」

キャンバスの前で抱きしめられる。

こういう言い方をされると、もう何も言えない。

ああ、この人と残りの人生を私は歩んでいくんだ。

私はじわじわとその事を感じた。

幸二は私のお腹に手を置きながら、私達はキスを重ねた。

「この子が大きくなるまで、出来るだけそばに居たい。 今までやって来た健康生活が、やっと報われるかな。」

そう言いながら、ニッコリと笑う幸二。

こんな幸せな事はないよね。

私も今まで結婚せずにいたのは、この幸せを手に入れる為だったのかもしれない。

他の人よりは少し遅かったかもしれないけど、それだけの甲斐はあったと思う。










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