私の決心
何だか色っぽい表情で私の顔を覗く部長。

仕事の時より、ずっと和んだその表情。

「じゃあ、手始めに今度の土曜日、うちに来いよ。アトリエとか見てもらったら安心するかもしれないし。プライベートの俺を知ってから決めても良いと思わない?」

さすがにもう断れない。

私は目をつぶって、唸った後答えた。

「分かりました。では、土曜日にお伺いします。でもモデルはまだ無しですよ?」

私はちょっと引きつった顔をしているかも。

自分でそう思いながら部長の反応を見た。

何だかホッとした様な、それでいて嬉しそうな顔。

「ははは、いろいろ考えて判断してよ。」

武田部長は日本酒を飲みほした。
< 14 / 141 >

この作品をシェア

pagetop