私の決心
私なんて、なかなか有給休暇を使えない。

仕事を休んでまでする事なんてないからだ。

何てつまらない生活をしているんだろう。

ついそんな事を思った。

「そんな貴重な絵のモデルが私で良いんですか?」

私の何気に出た言葉に、きょとんとした部長。

「橋本だから描こうと思ったんだ。」

部長の中では当たり前の事を言われたみたいで、今更って顔をしている。

「そ…そうですか。」

逆に意識をしてしまった私はドキッとした。

顔が赤くなってないと良いんだけど。

「今日は俺がお昼ご飯を作る。良ければ家の中を見てみると良い。見られて困る所はないから。食べ終わったら、外に出かけよう。」

「今日からモデルはしなくていいんですか?」

私は私なりに、覚悟をして来たつもりだったんだけど。
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