私の決心
「本来なら返事は今日以降にもらうはずだったんだ。でもお前が家まで来たら、俺は無理やりにでもモデルを引き受けさせるつもりだったけどな。」

そう言うと、笑いながら部長は出て行った。

アトリエに残された私は、そこらじゅうにある絵を見ていた。

部長の人柄を表すような優しいタッチ。

水彩画が多そうだけど、鉛筆のスケッチもある。

私は知らず知らずに一つ一つの絵に微笑みかけていた。

部長はこういう絵を描く人なんだ。

素の私はどうやって描いてくれるんだろう。

ちょっと楽しみになってきたな。

その後、真ん中にある椅子に掛けてみる。

背中が倒れるようになっていて楽な位置で調節する。

すごく座り心地が良い。

ゆったりと肘掛けに手を置くとますますリラックス出来る。

このまま眠ってしまいそうだ。
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