私の決心
一瞬、何とも言えない顔をした部長は、

「さっ、着いたぞ。ここで待っているなんて選択肢は、お前には無しだぞ。早く降りろ。」
 
部長は助手席側に回ると、私を無理やり車から引っ張り出した。

「分かりました。 ついて行けば良いんですよね?」

呆れた顔をしながらも、私にカートを押させ、その横を自然に歩く部長。

「こらこら、だらだら歩くな。」

所々で品定めをしている部長は、止まろうともしない私を引っ張った。

「止まると次は歩けそうもないんです。」

そのままカートを押す私の腕を捕まえたままの部長。

「あともう少しだから。俺が食事を作っている間に体を休めたら良い。」

ここまで来ると、私は駄々っ子のようだ。

レジを終えて、てきぱきと買ったものを袋に詰めると、

大きな袋を両手に持った部長は、私を追い立てた。

「ほらほら、車まで頑張れ。」
< 37 / 141 >

この作品をシェア

pagetop