私の決心
私は部長が出て行った後、大きな深呼吸をした。

体が緩むのが分かる。

コーヒーの入ったマグカップを両手に持った部長。

そして私の前に立つと

「休憩時間は目のやり場に困るから、隠してくれるかな。」

と顔をほんのり赤くしている。

「あっ…、はい。」

私は慌てて膝掛を広げると胸から下にあてる。

これで肩以外は隠れた。

それを確認すると、部長は私にマグカップを渡した。

「おいしい。」

まだ体に力が入っていたんだろうか。

さらに体が緩むような気がする。

「モデルデビューの感想は?」

クスクス笑いながら、話しかけてくる部長の表情も少しぎこちないような気がする。
< 65 / 141 >

この作品をシェア

pagetop