私の決心
きっと私の方が頼みにくいはずなのに。

「しょうがないな~。明日は何も予定がないから付き合ってあげるよ。 10時頃会社で待ち合わせで良い?」

私は少し茶化しながら、そう答えた。

「ありがとうございます。もう少しゆっくりで、そう11時くらいでどうですか?その後ランチでもしに行きましょう。わざわざ課長に会社に出てきてもらうんですから、俺が出します。」

「部下に出させるわけにはいかないよ。私が出すから、それならお昼付き合うわよ。」

両者、しばしの沈黙。

「園田君?電話切れてないよね?」

我慢しきれなくて、私は声をかける。

「…課長、俺はあなたの部下かもしれませんが、その前に男なんですよ? 女の人の前でたまには良いカッコさせてもらえませんか?」

いつもより随分低い声。

私はドキッとする。

「じゃあ、明日よろしくお願いします。」
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