私の決心
園田君はそそくさと電話を切った。

私はスマホをそのままテーブルの上に乗せると溜息をつく。

普段の私なら、不思議に思うだけだっただろう。

でも部長に園田君の事を聞いた今では…。

部長の言う通り、園田君は私の事を意識しているのかも。

「参ったな」

私の中に二人の顔が交互に浮かんできた。

もう何年も波風立たない生活を送ってきたのに。

考えることをめんどくさく感じてしまうのは歳のせいか。

この歳になって、男の人の存在を感じるアプローチを受ける事になるなんて。

しかも二人から。

「私はどうしたいんだろう?」

とりあえずすべてを置き去りにするかのように、私は寝る支度を始めた。

ベットに入ると、メールとラインにそれぞれ着信が。
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