私の決心
園田君の真面目な瞳に、私の心は見透かされているんだろうか。

「そう気づいたら、居てもたってもいられなくなって、食事に誘いました。俺の気持ちに気が付いてほしくて。でも、あなたはそんな俺の気持ちに少しも気が付かないで、仕事を理由に断わってばかりだ。 疑って我慢できなくなるのは当たり前でしょう!」

珍しく声を荒げる園田君。

私にこんな姿を見せるのは初めてだ。

「ごめん、園田君がそんな風に考えているなんて思ってもみなかった。やっぱり恋愛から離れているからかな。」

ポツリと私はつぶやく。

私ってこんなに鈍感な女だったんだ。

部長にも言われたよね…。

「俺、かなり分かりやすい態度を取ってきたつもりなんですよ。」

はぁ~と溜息をつく園田君。

ここまで来ると何だか申し訳ない気持ちで一杯になる。

「ずっとおばさんをからかってるのかと思っていたから。」

正直に言う私。
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