私の決心
それに園田君はびっくりした様な顔をする。

「橋本課長、あなたは充分魅力的な女性ですよ。特に俺にとっては。自分の評価が低くないですか?」

そうだ。仕事での自分なら少しは自信がある。 

でも女としての自分って、評価どころか忘れていたかもしれない。

その時、絵のモデルをしている自分の姿が浮かんできた。

ヌードの私を描きたいって…、素の私って…。

女としての私の事なの?

その事を意識した時、部長のあふれる、そして静かな愛を感じたような気がした。

私はしばらく呆然と立ちつくしていたみたい。

「とにかく、食事に行きましょう。」

園田君は私の右手を取ると歩き出した。

私にはその事すら気が付かないくらい動揺していた。

部長の事で頭が占められていた。

気軽なパスタのお店に入る。
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